白癬
白癬菌が表皮角層、毛、爪に寄生することによるもので、寄生部位により足白癬(みずむし)、爪白癬、頭部白癬(しらくも)、体部白癬(ぜにたむし)、股部白癬(いんきんたむし)などの病名で呼ばれます。
足白癬は白癬の中で最も多く、趾間に鱗屑、びらんを生じるものを趾間型、足底、足縁に小水疱を生じかゆみを伴うものを小水疱型、足底の角質増殖と落屑を生じるものを角質増殖型と呼んでいます。角質増殖型では内服治療が必要となることが多いです。
爪白癬では主に足の爪が肥厚、黄色調に混濁し、もろくなり、多くは足白癬と合併します。爪白癬を放置しておくと爪の変形のため歩行が困難となり健康寿命が損なわれることが指摘されており、早期からの治療が望まれています。爪用の塗り薬もありよく使われている一方で、治癒率を考えると内服薬の治療が勧められます。
頭部白癬は小児に多く、円形の鱗屑局面を生じ、毛が抜けやすくなります。ペットからの感染が多いですが、最近では柔道、レスリングなどの競技者に多く発症するトンズランス感染症が注目されています。外用療法では悪化することがあり、基本は内服療法を行います。
体部白癬は体幹などの中心治癒傾向のあるリング状の皮疹で、辺縁に鱗屑、小水疱、小丘疹が配列します。
股部白癬は頑癬ともよばれ、主として成人男性の股部に生じる皮疹で、臨床像は体部白癬と同様です。陰囊は通常侵されません。